【随筆】ヲタクのなり損ない

かつてはヌルヲタを名乗っていた。

十代半ばから二十代にかけての話だ。

一応Webが素朴な頃(いわゆるweb1.0)からネットをやっていたし、漫画、アニメ、ラノベとそこそこ楽しんだ。

そう、あくまでそこそこ。

ハルヒもFateも東方も、鬼滅もNARUTOも呪術廻戦もほとんど知らない。

ニコ厨を名乗れるほどニコニコ動画も観てないので、歌い手やボカロPもあまり知らない。

大手サイトもアルファブロガーの記事も閲覧しなかったに等しい。

いわば『ヲタクのなり損ない』だ。

サブカルに限らず、世の主流に乗れない性分なんです、はい。


だいいち、ネット環境が整ったのもそこそこ大人になってからだった。

それまでは祖父母宅(現・実家)に泊まった時しか触れられなかった。

亡くなったじいさんが新しいもの好きで、Windows95からPCを買うような人だったので、ネットもダイヤルアップ接続の時代から触らせてくれた(じいさん、その節はめっちゃありがとうございました)。


閑話休題。

しいて言えばVTuberには楽しませてもらっている。

だが、スパチャを投げるどころか同接すらしたことがない。

僕のVTuberは常に切り抜きの中に存在している。

今の自分は『漫画とアニメが好きなただのおっさん』だ。

もっといえば、読書や映画、音楽全般のほうに関心が行く。

最近はアンティークコインにも興味が出てきた。

もちろん、あんなものを買う財力はないので写真を眺めてときめいているだけなんだけど。


ヲタク卒業! などと意気込んでいるのではない。

ヲタク疲れともちょっと違う。

年を重ねるごとに、趣味趣向も、それにかける情熱も、ゆっくり変化しているんだろう。

それはそれでいいと思っている。

『ヲタクのなり損ない』。

『漫画とアニメが好きなただのおっさん』。

いいじゃないか。

というわけで、今夜も好きなコンテンツを好きなように楽しませてもらう。

ただし「スーパーの裏でヤニ吸う二人」のアニメ化にちょっとときめいているのはここだけの話だ。